私は高校教師になった。
　そして今日十二月二十五日、人生で初めて教師として冬休みに入った。
　高校生の時とは違い、朝から出張をしたりと大変だったが、忙しく働いている内に日は暮れ、私は他の人よりも少し早く上がらせてもらい、電車に乗って約束した場所に向かった。
　駅に着き、改札を出て階段を下ると目の前には色とりどりのライトが光っているクリスマスツリーと星空があった。
　約束していた場所に向かうと、相変わらず小柄だけど、前より少し髪が伸びている私の恋人----恋沼先生が待っていた。
　恋沼先生が私に気付くと、手を大きく振りながら、
「もう!水鳴(みな)ったら!もう十五分も遅れてるよ!」
と、普通の口調で言いながら少し頬を膨らませた。
　相変わらず恋沼先生は可愛いなぁ、あの時とは変わってはいるけど、何も変わっていないや。
　そう思いながら、私と恋沼先生は行くと約束していたゲームのグッズが売っているというお店へ向かった。