私はグランと一緒に町より少し離れたキルジアの森の手前まできた。
「……ウッ、大きな虫が沢山います」
目の前には足の沢山生えた気持ち悪い大きな虫が至る所にいっぱいいて泣きそうになる。ううん……吐きたくなった。
「そういえば、さっきも虫のこと嫌がってたな」
「ええ、どうしても虫だけは無理なの」
「んー……そうか。じゃあ魔法で焼き払うか? 魔法攻撃をみるのにも丁度いいし」
そう言われ私は使える魔法に炎系があったか思い返してみる。
「炎系……多分、覚えてませんわ」
「……そうか。じゃあ何を覚えてるんだ?」
「そうですね……氷系なら大丈夫だと思いますわ」
そう私が言うとグランは悩み始める。
氷系じゃ何か問題があるのかしら?
「氷か……まあそんなに強力な魔法じゃなければ大丈夫だろ」
「もしかして氷系じゃ駄目なのですか?」
「いや、駄目じゃない。ただ氷系だと魔法の種類によっては、この辺一帯を凍らせてしまう」
そういう事なのですね。ですが弱い氷系の魔法って? とりあえず弱いような魔法を使えばって言ってましたし……そうしますか。
「そうなのですね、分かりましたわ」
「本当に大丈夫か?」
グランは心配そうに私をみている。
心配してくれてる。わーい、嬉しいですわ。
「ええ、多分……ですが。そんなに強力な魔法を覚えていないと思いますので」
「そうか……それならいいが」
「それでは、やりますわね」
そう言い私は杖を構えた。
グランは私から少し離れた位置に移動する。
それを確認すると私は詠唱し始めた。
「氷の精霊 冷たき世界 極限にまで凍り鋭き物 無数なる刺 この一帯に降り注ぎ 対象物を攻撃せよっ!!」
《ロッツオブアイシクルっ!!》
そう言い放つと私は杖を掲げる。すると空に大きな魔法陣が展開された。
「ちょ……待てっ! その魔法は……」
はて? グランは何を言ってるのでしょうか……よく聞こえませんわ。
そう思い私は魔法が展開されるのを待つ……。
★♡★♡★
メルナ……聞こえてないのか。どこか逃げる所は? メルナを早く、その場から遠ざけないと……。
そう思いながらオレはメルナの方へ駆けだした。
そばまでくるとメルナを抱きかかえる。
「グラン? どうしましたの」
「逃げる……」
「えっ!?」
そう聞かれるも返答する暇なんてない。オレはメルナを抱きかかえながら駆け出した。
待ってくれる訳もなく魔法陣が他にも無数に増え始めている。
なんて魔力なんだ。メルナ……本当に魔法を使うのが初めてなのか? まあ……そのことは、あとで聞くか。今は、あの魔法陣の範囲から遠ざかるのが先だ。
そう思っていると魔法陣の展開が全て終わり、そこから無数の氷柱が降り注ぎ始める。
「クソッ! これをどうやって防げって云うんだよ」
「ヒッ……え、ええと……こんなに凄い魔法だなんて思いませんでしたわ」
そう言いメルナは今にも泣きそうだ。
「知らないで使ったんだよな?」
「はい、勿論です」
「はぁ……とりあえずメルナはできるだけ遠くに逃げろ」
オレはメルナを下ろした。
「分かりましたわ。ですがグランは?」
「オレは森が破壊されないように魔法を無効かしてくる」
「大丈夫ですの?」
そんな悲しい顔でみつめないでくれ……迷ってしまうだろうが。
「大丈夫か分からないが……やれるだけのことをしてくる」
「私のせいで……ごめんなさい」
「それはいい。それよりもここから離れろ。この頭上にも魔法陣が展開されている。いつ氷柱が降り注ぐか分からないからな」
そうオレが言うとメルナは頷き駆け出した。
オレはそれを確認すると大きな魔法陣がある方へと駆け出す。
氷柱を回避しながらだと、どこがいい?
そう思考を巡らせながらオレは巨大な魔法陣へと向かった。
「……ウッ、大きな虫が沢山います」
目の前には足の沢山生えた気持ち悪い大きな虫が至る所にいっぱいいて泣きそうになる。ううん……吐きたくなった。
「そういえば、さっきも虫のこと嫌がってたな」
「ええ、どうしても虫だけは無理なの」
「んー……そうか。じゃあ魔法で焼き払うか? 魔法攻撃をみるのにも丁度いいし」
そう言われ私は使える魔法に炎系があったか思い返してみる。
「炎系……多分、覚えてませんわ」
「……そうか。じゃあ何を覚えてるんだ?」
「そうですね……氷系なら大丈夫だと思いますわ」
そう私が言うとグランは悩み始める。
氷系じゃ何か問題があるのかしら?
「氷か……まあそんなに強力な魔法じゃなければ大丈夫だろ」
「もしかして氷系じゃ駄目なのですか?」
「いや、駄目じゃない。ただ氷系だと魔法の種類によっては、この辺一帯を凍らせてしまう」
そういう事なのですね。ですが弱い氷系の魔法って? とりあえず弱いような魔法を使えばって言ってましたし……そうしますか。
「そうなのですね、分かりましたわ」
「本当に大丈夫か?」
グランは心配そうに私をみている。
心配してくれてる。わーい、嬉しいですわ。
「ええ、多分……ですが。そんなに強力な魔法を覚えていないと思いますので」
「そうか……それならいいが」
「それでは、やりますわね」
そう言い私は杖を構えた。
グランは私から少し離れた位置に移動する。
それを確認すると私は詠唱し始めた。
「氷の精霊 冷たき世界 極限にまで凍り鋭き物 無数なる刺 この一帯に降り注ぎ 対象物を攻撃せよっ!!」
《ロッツオブアイシクルっ!!》
そう言い放つと私は杖を掲げる。すると空に大きな魔法陣が展開された。
「ちょ……待てっ! その魔法は……」
はて? グランは何を言ってるのでしょうか……よく聞こえませんわ。
そう思い私は魔法が展開されるのを待つ……。
★♡★♡★
メルナ……聞こえてないのか。どこか逃げる所は? メルナを早く、その場から遠ざけないと……。
そう思いながらオレはメルナの方へ駆けだした。
そばまでくるとメルナを抱きかかえる。
「グラン? どうしましたの」
「逃げる……」
「えっ!?」
そう聞かれるも返答する暇なんてない。オレはメルナを抱きかかえながら駆け出した。
待ってくれる訳もなく魔法陣が他にも無数に増え始めている。
なんて魔力なんだ。メルナ……本当に魔法を使うのが初めてなのか? まあ……そのことは、あとで聞くか。今は、あの魔法陣の範囲から遠ざかるのが先だ。
そう思っていると魔法陣の展開が全て終わり、そこから無数の氷柱が降り注ぎ始める。
「クソッ! これをどうやって防げって云うんだよ」
「ヒッ……え、ええと……こんなに凄い魔法だなんて思いませんでしたわ」
そう言いメルナは今にも泣きそうだ。
「知らないで使ったんだよな?」
「はい、勿論です」
「はぁ……とりあえずメルナはできるだけ遠くに逃げろ」
オレはメルナを下ろした。
「分かりましたわ。ですがグランは?」
「オレは森が破壊されないように魔法を無効かしてくる」
「大丈夫ですの?」
そんな悲しい顔でみつめないでくれ……迷ってしまうだろうが。
「大丈夫か分からないが……やれるだけのことをしてくる」
「私のせいで……ごめんなさい」
「それはいい。それよりもここから離れろ。この頭上にも魔法陣が展開されている。いつ氷柱が降り注ぐか分からないからな」
そうオレが言うとメルナは頷き駆け出した。
オレはそれを確認すると大きな魔法陣がある方へと駆け出す。
氷柱を回避しながらだと、どこがいい?
そう思考を巡らせながらオレは巨大な魔法陣へと向かった。