「真っ暗…」

結奈が花蓮にしがみついた。

「なんか不気味…」

「幽霊とか出てきそう…」

結奈と花蓮が言った。

「そんなの、私たちは見慣れてるでしょ」
天音が言った時、

「お前ら、何してるんだ?」

「きゃー!!」

花蓮たちの後ろに、紫音、要、隼人、湊の四人がいた。

「いきなり大声出すなよ…」

「紫音のせいでしょ!」

天音たち三人は怯えている。

「ごめんね。驚かせて。ところで何してるの?」

「湊さん!真白と春香みませんでしたか?」

「え?いないの?」

「最初は、部屋に戻ってこない真白を探しに春香が行ったんですけど、春香も戻ってこないから、みんなで探しに来たんです」

「わかった。手分けして探そう。先生たちにも連絡するから」


「は?柏木と本条がいなくなった?」

湊から連絡を受けた慧は、驚いた。

「あぁ、わかった。すぐ行く」

そう言って電話を切った。

「どうしたんですか?」

隣にいた千輝が尋ねる。

「柏木と本条がいなくなったらしい。全く、よくはぐれるよな。あいつらは」

二人は急いで旅館に戻った。


「で?何で見つからないんだ?」

旅館に着いた慧と千輝は何が起こったのか聞いていた。

「迷ったのかもしれないし、このあたりなんか嫌な感じがするんです。もしかしたら、何かに巻き込まれたのかも…」

「ねぇ、この鏡、すごく嫌な感じがするんだけど…」

天音が言った。

そのとき、鏡に映っている要たちの姿が歪んだ。

「何だ⁉︎」

鏡から黒い霧が出てきて飲み込まれた。



「何が起こったの?」

みんなが目を覚ますと、そこは桜咲家の本家だった。

「何でここに出たんだ?」

湊が不思議そうにしている。

「あの鏡に何か力が宿っていたのかもしれない」

慧が言った。

「もしかして真白と春香もここにいるのかな?」

結奈が言った。

「可能性はあるな。探してみよう」

要がそう言って歩き出そうとしたとき、

「余計な奴らまで連れてきてしまったな」