「…あの部屋は…」
何か隠そうとしているのはわかった。
「あの部屋に、何があるの?お父さん、妹のこと教えてくれたでしょ?真白にも話すって言ってたよね?」
春香の父はしばらく考えた後、自分の書斎に行って、鍵を持ってきた。
「これがあの部屋の鍵だ。千早と話す前にみた方がいいだろう」
鍵のかけられた部屋は、二階の奥にある。
ドアの前に立ち、鍵を差し込んだ。
真白がドアを開けると、仏壇と赤ちゃんの写真が飾られていた。
「これって…」
「真白、春香にはもう話したんだが、春香には双子の妹がいたんだ」
「えっ」
それを聞いた真白は、目を見開いた。
「千春といってお前が生まれた直後に亡くなってな…千早は真白が千春の命を横取りしたんじゃないかと言い出した。だが、お前の母親とは本当の姉妹のように仲が良かったから、当たることもできなかった。その六年後に真白と真白の両親が乗った車が事故にあって、真白だけが生き残った。それで真白には冷たくしてしまっているんだ」
春香の父親はそこまで話すと、息を吐いた。
「…それが、叔母さんが私を嫌っている理由なの?」
「本当は嫌ってなんかいない。真白のことも大切にしようと思ってはいるんだ。でもそれがなかなか難しいみたいだ。でも千春が亡くなったのも、両親が亡くなったのも、決して真白のせいじゃない」
特に真白の誕生日に機嫌が悪かったのは真白には何でだかわからなかった。
でもようやく腑に落ちた。
「ありがとう。叔父さん、春香。教えてくれて」
玄関のドアが開く音がした。
千早が帰ってきたようだ、
真白たちは玄関に行った。
「…真白?何でここに…」
千早は驚いた顔をしている。
「お母さん、ごめんなさい。あの部屋入っちゃったの」
「え…」
千早は絶句している。
「俺が入っていいと言ったんだ。近いうちに話すべきだっただろう。千春のことも二人とも知っている」
「何で勝手に話したのよ!」
「いつまでも隠しておくわけにはいかないだろう。ちゃんと向き合った方がいい」
「私は許さないわよ。千春と兄さん、碧姉さんまで奪って」
「それは真白のせいじゃない。誰のせいでもないんだ」
「でも春明…!」
千早はそのまま泣き崩れてしまった。
「春香、今日は真白の家に泊まってくれるか?母さんが落ち着いたら連絡するから」
「…わかった。行こう真白」
春香は真白の手を引いて家を出た。
「ごめん。本当はお母さんと真白にちゃんと伝えてから話せるとよかったんだけど…」
「大丈夫だよ。また改めて話せばいいし。私もいきなり電話してごめんね」
何か隠そうとしているのはわかった。
「あの部屋に、何があるの?お父さん、妹のこと教えてくれたでしょ?真白にも話すって言ってたよね?」
春香の父はしばらく考えた後、自分の書斎に行って、鍵を持ってきた。
「これがあの部屋の鍵だ。千早と話す前にみた方がいいだろう」
鍵のかけられた部屋は、二階の奥にある。
ドアの前に立ち、鍵を差し込んだ。
真白がドアを開けると、仏壇と赤ちゃんの写真が飾られていた。
「これって…」
「真白、春香にはもう話したんだが、春香には双子の妹がいたんだ」
「えっ」
それを聞いた真白は、目を見開いた。
「千春といってお前が生まれた直後に亡くなってな…千早は真白が千春の命を横取りしたんじゃないかと言い出した。だが、お前の母親とは本当の姉妹のように仲が良かったから、当たることもできなかった。その六年後に真白と真白の両親が乗った車が事故にあって、真白だけが生き残った。それで真白には冷たくしてしまっているんだ」
春香の父親はそこまで話すと、息を吐いた。
「…それが、叔母さんが私を嫌っている理由なの?」
「本当は嫌ってなんかいない。真白のことも大切にしようと思ってはいるんだ。でもそれがなかなか難しいみたいだ。でも千春が亡くなったのも、両親が亡くなったのも、決して真白のせいじゃない」
特に真白の誕生日に機嫌が悪かったのは真白には何でだかわからなかった。
でもようやく腑に落ちた。
「ありがとう。叔父さん、春香。教えてくれて」
玄関のドアが開く音がした。
千早が帰ってきたようだ、
真白たちは玄関に行った。
「…真白?何でここに…」
千早は驚いた顔をしている。
「お母さん、ごめんなさい。あの部屋入っちゃったの」
「え…」
千早は絶句している。
「俺が入っていいと言ったんだ。近いうちに話すべきだっただろう。千春のことも二人とも知っている」
「何で勝手に話したのよ!」
「いつまでも隠しておくわけにはいかないだろう。ちゃんと向き合った方がいい」
「私は許さないわよ。千春と兄さん、碧姉さんまで奪って」
「それは真白のせいじゃない。誰のせいでもないんだ」
「でも春明…!」
千早はそのまま泣き崩れてしまった。
「春香、今日は真白の家に泊まってくれるか?母さんが落ち着いたら連絡するから」
「…わかった。行こう真白」
春香は真白の手を引いて家を出た。
「ごめん。本当はお母さんと真白にちゃんと伝えてから話せるとよかったんだけど…」
「大丈夫だよ。また改めて話せばいいし。私もいきなり電話してごめんね」