「そんな…どうして」
「多分、当主の正妻のみが記載されていたんだ。もっと詳しく書かれたものが見つかれば、綾女の名前もあるんだろうけど…」
真白は綾女が桜咲家の屋敷で言っていたことを思い出した。
『あの女さえいなければ、私が正妻になれたのに…!』
つまり、綾女は当主の正妻になる可能性があったということだ。
「私、詳しく書かれた本がないか探します!」
「それなら要と隼人が探しに行ってる。真白ちゃんは姉さんと一緒にいてくれないかな?綾女に何か変化があるかもしれないし」
「わかりました」
湊に渚がいる部屋に連れてこられた。
中には、春香、晶、渚がいた。
「春香もいたんだ」
「うん。私の前世について話してたの」
春香の前世は清華という。
桜咲家の祖先でもある。
「話を聞いてわかったことがある。慧と千輝くんに持ってきてもらった巫女の道具について書かれた書物と結奈ちゃんたちが使っている巫女の道具は、前と少し変わっているところがある」
元々、巫女の道具は、蒼葉の代までは、桜咲家で保管されていたようだ。
しかし、彩葉が巫女になった時に、彩葉が自分の霊力で作り出した道具が今天音たちが使っている道具なのだという。
「ただ、紫音くんが使っている刀は別だ。あれは、巫女の力と、妖の力が混ざっている。刀はそもそも巫女の道具ではなく、当主が討伐に行った時に使うものだからな」
本来の巫女の道具は、扇子、鈴、笛、鏡、この四つだったらしい。
「さらにそれに加えて、あやかしの作り出したものも代々受け継がれている。それが弓矢と刀だ」
弓矢は花蓮がいつも持っている。
だが、前に霧人を倒した時は鵺がそれとは違う弓矢を使っていた。
「巫女には、決まりがあって、人を傷つけるためにその力を使ってはいけないんだ。それを破った物には罰が与えられる」
それは、寿命が削られるというものだった。
「巫女は、年に一度、神楽を舞う。それは人々の幸せと神々に対する感謝を示すためだ。だが、巫女の資格を剥奪されることもある。それは…巫女自身が人を傷つけてしまうこと」
人々の幸せを願い、神に仕える存在ならば、そんなことは許されない。
「綾女は何か人を傷つけることをして巫女の資格の剥奪と正妻候補を外れた可能性がある」
紫音は、ようやく傷が塞がってきたので自由に出歩く許可が降りた。
「紫音…」
廊下を歩いていると、花蓮が反対からの歩いてきた。
「花蓮、体はもう平気なのか?」
「それはこっちのセリフ。傷はもういいの?」
紫音は明るく笑った。
「多分、当主の正妻のみが記載されていたんだ。もっと詳しく書かれたものが見つかれば、綾女の名前もあるんだろうけど…」
真白は綾女が桜咲家の屋敷で言っていたことを思い出した。
『あの女さえいなければ、私が正妻になれたのに…!』
つまり、綾女は当主の正妻になる可能性があったということだ。
「私、詳しく書かれた本がないか探します!」
「それなら要と隼人が探しに行ってる。真白ちゃんは姉さんと一緒にいてくれないかな?綾女に何か変化があるかもしれないし」
「わかりました」
湊に渚がいる部屋に連れてこられた。
中には、春香、晶、渚がいた。
「春香もいたんだ」
「うん。私の前世について話してたの」
春香の前世は清華という。
桜咲家の祖先でもある。
「話を聞いてわかったことがある。慧と千輝くんに持ってきてもらった巫女の道具について書かれた書物と結奈ちゃんたちが使っている巫女の道具は、前と少し変わっているところがある」
元々、巫女の道具は、蒼葉の代までは、桜咲家で保管されていたようだ。
しかし、彩葉が巫女になった時に、彩葉が自分の霊力で作り出した道具が今天音たちが使っている道具なのだという。
「ただ、紫音くんが使っている刀は別だ。あれは、巫女の力と、妖の力が混ざっている。刀はそもそも巫女の道具ではなく、当主が討伐に行った時に使うものだからな」
本来の巫女の道具は、扇子、鈴、笛、鏡、この四つだったらしい。
「さらにそれに加えて、あやかしの作り出したものも代々受け継がれている。それが弓矢と刀だ」
弓矢は花蓮がいつも持っている。
だが、前に霧人を倒した時は鵺がそれとは違う弓矢を使っていた。
「巫女には、決まりがあって、人を傷つけるためにその力を使ってはいけないんだ。それを破った物には罰が与えられる」
それは、寿命が削られるというものだった。
「巫女は、年に一度、神楽を舞う。それは人々の幸せと神々に対する感謝を示すためだ。だが、巫女の資格を剥奪されることもある。それは…巫女自身が人を傷つけてしまうこと」
人々の幸せを願い、神に仕える存在ならば、そんなことは許されない。
「綾女は何か人を傷つけることをして巫女の資格の剥奪と正妻候補を外れた可能性がある」
紫音は、ようやく傷が塞がってきたので自由に出歩く許可が降りた。
「紫音…」
廊下を歩いていると、花蓮が反対からの歩いてきた。
「花蓮、体はもう平気なのか?」
「それはこっちのセリフ。傷はもういいの?」
紫音は明るく笑った。