死んじゃったのかな?
でも安心する。
天国に行けるかな?
地獄かな?
「た………」
「………し」
「……は…」
誰かが私を呼んでいる?
誰?あなたは誰?

「高橋!」
あっ。生きてたんだ。
声の正体は佐藤だったんだ。
安心。
なぜかわからない。
安心。おばあちゃんみたいな?
あっ、おじいちゃんか。
懐かしい?
わかんないや。
「大丈夫?
病気、結構悪いんだね。
聞いてびっくりした。
ねぇ、やっぱり手術受けようよ。
お願い。」
「なんで佐藤はそんなに
私のことを心配してくれるの?」
なんでこんなこと聞いたんだろう。
すぐに出た言葉がこれだった。
佐藤は少し考えていった。
「本当のことを言うと僕は佐藤が嫌いだ。」
はぁぁ?こいつ何言ってんの。
はぁ?どう言うこと?
でもこうも続けた。
「今日、佐藤が倒れたでしょ。
その時にもし今、佐藤が死んだら、
クラスはどうなるんだろう?
僕は1人で静かに1日を過ごせるのだろうか、
と思ったんだ。
だからやっぱり僕たちのクラスには
佐藤がいないといけないって気づいたんだ。
僕には必要なくても、
クラスのみんなには必要でしょ?」
「僕には必要ないって…
ふふっ。おもしろ。ふふっ」
なんで笑ってるんだろう。
なんでだろ。幸せかも。
「ありがと」
口が勝手にしゃべった。
そんなことはないけど…
これが私の本心?
この人だったら…。
「ねぇ、佐藤くんにお願いがある。
私の手術ができるまでか
私が死ぬまで私と仲良くしてよ。」
お母さんにバレたら終わりだけど…。
それまでは楽しみたい。
人生を。
「別にいいけど。
具体的に何するの?」
「あ〜〜〜…」
考えていなかった。
「なんかするの。
う〜ん。出かけたり、なんかするの!」
「それに協力したら手術受けてくれるの?」
「それは親の問題もあるな〜。
まぁ、大丈夫。レッツゴー!」
「え〜〜。」
こうして
私と佐藤の小さな物語が始まった。