君のいない夏

桜が8分咲きになった時。
私と夏樹はお花見に来ていた。
「綺麗だねぇ〜。
お弁当作ってきたよ。
食べる?」
早起きして作ってきた。
大変だったけど、
夏樹が喜ぶところが見たかった。
「おぉ〜。
すごい。お腹すいたよ。
僕も飲み物とお菓子買ってきたよ。」
レジャーシートの上に座って、
お弁当を広げた。
自分で言うのはなんだけど、
最高のお弁当。
お花見っぽい。
「美味しそう。
これ全部作ってきたの?
すごいね。
いただきます。」
「私も食べる。
いただきます。」
「あっ、これすっごく美味しい。
また食べたい。」
「いいよ。結構簡単だから。
すごくお花見っぽい。」
「ほんとだね。」
風が吹いた。
桜が舞っている。
とっても綺麗。
お弁当も美味しい。
幸せの味。
こうして、また一つ思い出が増えた。
来週からは新学期。
夏樹とまた、同じクラスだといいな。