少し経ってから佐藤が戻ってきた。
美味しそうなタピオカとクレープを持って。
「ありがとう」
「全然。
美味しそうですね。」
まず私はタピオカをもらって飲んだ。
とってもおいしかった。
幸せな放課後だ。
今まで、こんなことできなかった。
クレープも美味しい。
頬張りすぎたかな?
そんなことを考えていたら、
佐藤が突然笑い出した。
「えっ、何かおかしい?」
聞いてもずっと笑ってる。
こんなに笑われたことは生まれて初めてだ。
「ごめん、ごめん。
いやぁ、高橋がたくさん頬張ってたから。
なんか、面白くってさ。」
「そんなに?
まぁ、全然いいけど。
でも失礼だから私からのお願い一個聞いてね。」
「何?
全然いいよ。」
「さっきから、敬語じゃなくなってる。
ずっとそのままでいてよ。
で、お願いは私のことを灯里って呼んで。
私は夏樹って呼ぶから。」
「なんか一気に二つ
お願いされた気がするけど、
まぁ、いいよ。
よろしくね。灯里。」
「急に呼ばれると緊張するなぁ。
こちらこそよろしくね。夏樹。
ほら、早く食べないと。」
私の初めての放課後食べ歩きは
こんな感じだった。
とっても楽しかった。
こんな毎日、ずっと続くといいなぁ。
そんなことを思っていた。