「よし! 今日は、ケンケンパッをしよう!」

 次の日から、私は考えることにした。
 過去の人でも楽しめる未来の遊び。皇子と一緒にできる遊びを。

「何だ? それは」

 私は庭に降りると枝を探し土に丸を書いていく。

「この丸の通りに飛ぶの。丸が一つの時は片足で「ケン」って言いながら飛んで、丸が二つの時は両足で「パー」って言いながら止まるの」

「そんな遊びがあるのか」

「まず、私がやるから見ててね」

 私は自分の書いた丸を跳んでいく。

「なるほど」

「次は、皇子ね」

「やってみるぞよ」

 皇子は覚束無い足で跳んでいく。

「そうそう」

「愉快だな」

「でしょ? じゃあ次は、もっと難しいのね」

 徐々に丸を複雑化させていく。

「お、これはなかなか」と、言いながらも楽しそうに跳んでいる皇子の姿に安心する。