「握手」

「アクシュ?」

 私は握った手をブンブンと上下に振る。

「友達の記し」

「友の……」

 型の良い唇が小さく動く。

「友……」

 そして優しく弧を描く。

「優花殿と私は友だな」

 皇子の手が、この手をしっかりと握ってくれる。そしてブンブンと私の真似をし手を動かす。
無邪気に笑うその顔が皇子には一番似合っている。それに皇子が笑っていると私まで嬉しくなるから。だから傍にいたい。皇子が笑えるように友達として。