「ね、ねえ! 何かして遊ぼうよ!」

 気づくと、この空気が嫌で大きな声を出していた。

「遊ぶ?」

「……えっと。叩いて被ってジャンケンポン!」

 浮かんだのは、そんな遊び。
 よくクラスの男子とやっていた。

「何だ、それは?」

 私はまず最初にジャンケンのやり方から皇子に説明をした。

「これがジャンケンね。次は真ん中に叩くものと被るものを置くの。叩くのは、これ」

 私は自分の手に持っていた翳を置く。被るものは……。