何かが混ざったご飯に野菜や魚介類の小鉢。お漬け物に汁物。デザートには小豆。合計十三品目はあるだろう。お膳の上は想像よりも遥かに豪華で賑やかだった。正直、飛鳥時代の食事はもっと質素で食材も乏しいイメージだったけれど皇子という高貴な人の食事はいつの時代も特別なのだろう。

「では、本当に優花様にお任せしてよろしいのでしょうか?」

「あ、はい!」

 何を任せられるかわかぬまま取りあえず頷くと侍女達はそそくさと部屋から消えていった。

「さあ、早く優花殿も食べよ」 と、通常運転に戻る皇子を見て呆気にとられる。
 この人は役者なのかもしれない。