殆どが中大兄皇子に着いて行ってしまった今、どちらに力があるかは一目瞭然。だけどそのことに赤兄さんも大岩さんも気づいていないはずがない。大岩さんは皇子の家臣。そして赤兄さんは中大兄皇子の重臣なのだから。

「父上についていた重臣達も、もういない。だから私が大王になることはない」と、皇子の悲しげな顔を見てこんなことを言わせてしまったことを後悔する。