「皇子様。優花様。夕餉でございます」

 部屋の外から露さんの声がする。

「失礼致します」

 そう言って微笑む時雨さんがいる。

「今日は優花様の大好きな海老もございますよ」

 ニコニコと笑いながら、お膳を運んでくれる五月雨さんがいる。
 __皆、私にとったら過去の人。
 喋って。笑って。動いて。なのに私が未来に戻った瞬間、この人達は消えてしまう。
 __未来に戻りたい。
 だけど、皆を亡き者とするのは嫌だ。