「できた!」

 一瞬にして鶴を造ると皇子はまた固まった。

「皇子も一緒に織ろうよ」

「……わ、私に、できるであろうか?」

「大丈夫。簡単だから」

 皇子に和紙を渡すと、ゆっくりと織ってみせる。

「まずは、こうやって?」

「こ、こうか?」

 皇子の細長い指が不器用に動く。

「そう。それでこうして。あ、そこは逆ね」

「……こ、こうか?」

 真面目な顔をして鶴を織る姿に笑いそうになるのを堪える。