季節は流れ、今はもう冬だ。国府津は雪などは降らないので交通が麻痺したりすることはない。そして俺はあまり寒いのが得意ではないので雪が降らないのはありがたいのだが。
 「二人で雪をみたい」
 と伊月が言うものだから、今は上越線の水上(みなかみ)駅に来ている。12月の水上駅は一面銀世界といった感じで、伊月はとても喜んでいる。こうやって彼女を幸せにできるのであれば寒いところにだって行く。もう彼女を不幸にさせたくないから。
 「伊月」
 「なに、歩夢?」
 一生彼女を幸せにする、そういう誓いをたて俺は言った。
 「愛してる」