彼女の作ってきてくれた弁当には僕の好物であるハンバーグがミニサイズで入っていた。
卵焼きも唐揚げも僕が好きな味付けにしてくれていた。

「そういえば、もう少しで修学旅行だね!」
「すっかり忘れてた」

修学旅行も三人と出会っていなかったら僕はきっと行きたいなんて思わなかっただろう。これも全てみんなのおかげだ。
僕一人の力ではないけれど以前とは比べ物にならないほどに僕は変われることができた。

「また、未月くんと旅行ができる!」
「今度は僕らだけじゃないけどね」
「それでも楽しみだよー。なーにー、未月くんは私と二人っきりがいいのー?」
「それは、まぁ」

彼女から訊いたというのに僕の言葉を聞いた途端、顔を一気にを赤らめた。

「…そっか、じゃあ明日デートしよ」
「本当に?」
「うん!だから今日学校が終わったら私の家で一緒に予定を立てよう」
「星凪ありがとう。僕のわがままを聞いてくれて」
「違うよ未月くん。私もデートしたいって思ってたから私のわがままでもあるよ!」
「それなら、お互い様だね」

そんな僕たちを横目に松田と河下さんは口を揃えて「平和だな〜」と言った。

「これから一緒に思い出を作っていこうね!」
「そうだね。僕たちはまだ始まったばかりだ」


この先の未来も君となら歩んでいける気がする。
一度止まった時間を君が動かしてくれた。
君と過した日々が僕を変えたんだ。
今度は僕が君の為に生きるよ。