私達は渓流で出会い、喧嘩しながらも、川原で仲良くなり、一緒に鮎の素焼きを食べた。美味だったのを覚えてる。

連絡先を交換した私達は、渓流で釣り女子、山の麓から、山女子を一緒にしたりして、楽しんだ。町中で会うこともあった。お金を鮎釣りに使いたい私達は、百貨店をウィンドウショッピングしたり、つり具店で、渓流釣りの竿を見比べたり。

それ以外にも、つり具のメーカーの展示会で、どの竿が良いとか、この竿はやめとこうとか、楽しんだ。

そして、二人はお正月の挨拶をする。私は無難にリクルートスーツだけど、彼女はせっかくのお正月だからって、着物姿を見せてくれた。渋い色合いが、彼女の趣味をじゃぱねすくだと強調してるみたいで、私は一緒に記念撮影を撮ってもらった。


笑う二人の笑顔を見ていた私は、写真タテを本棚の上に置くと、うるさく呼ぶ、ネグリジェ姿の彼女の晩酌の相手をしに、過去バナから現在に意識を戻した。
パジャマ姿のまま、居間のソファーに腰をかける。遅れたことを、ふてくされた彼女の
向かいに座った。