はじめてはっきりと言葉にした、舞さんへのきもち。
「舞さんはどうなの?
俺のこと、どう思ってるの」
「ど、どうって……」
こまらせているのはわかっている。
だけど、俺のせいでもっとこまってしまえばいいんだ。
俺でいっぱいになればいい。
よけいなことをかんがえるすきまもないくらい舞さんのあたまのなかが俺だけになれば、夜にあんなふうにひとりで泣くこともない。
俺からはなれようとする舞さんの白くてほそい手首をつかむ。
「だめ、こたえて。
こたえてくれるまではなさない」
視線がぶつかりあう。
ふたりのあいだに沈黙がうまれる。
視線をそらさずにジッとみつめる俺に観念したのか、舞さんがゆっくりと口をひらく。
「───あたしは、誠梨のこと……」
───ピコンッ
Kazuya
【舞、昨日はわるかった。今日の夜はあえるよ】
END.