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「んっ……」
何時間こうしていただろう。
太陽が夜に隠れていた俺たちふたりをいとも簡単に見つけてしまう。
橋の下は日陰になっているから、すごく暑いとまでは感じない気温。
数時間のうちに、肩にあった舞の頭は俺の太ももに移動している。
読んでいた参考書から目を移せば、下でもぞもぞと動き出す。
「誠梨、くん……?」
誠梨"くん"なんて、すごく他人行儀な呼びかた。
だけどこっちが、本当の呼ばれかた。
「……ごめん……もしかして、あたしまたやっちゃった……?」
いてて、と頭を押さえながら起き上がって、手首につけてある時計を見て今度は飛び起きる。
「待って、7時……!誠梨くん学校じゃ……」
「今日は土曜日だよ」