食事の準備が終わると時間は10時になるところ。

掃除は午後からすることにしてお昼まで部屋で休憩をすることにした。

クローゼットからスケッチブックを取り出すとちひろが用意してくれたこの部屋のスケッチを始めた。

 描き始めて30分。

床に座って描いていたせいでお尻が痛くなり立ち上がると窓の外を眺めた。

外はまだ雨が降っている。

雨で濡れた庭をぼーっと眺めていると瑞樹が歩いてくるのが見えた。

雨は銀色の飛沫(しぶき)を上げるほど降っているのに瑞樹の髪の毛はさらさらと揺れていた。