「ふわふわなタオルケット」

「僕も同じの使ってるよ。色は茶色でふわふわしているからクマさんのぬいぐるみと一緒に寝てるみたいなんだよ」

タオルケットに包まって眠るちひろは容易に想像できた。

「ねぇ真琴?」

「ん?」

「この家にあるものは全部自由に使っていいから」

「えっ全部?」

「うん全部。お風呂もシアタールームもとにかくぜ~んぶ。

必要な物は家から持ってくるといいよ。

大変なら持ってくるの手伝うよ」

それは駄目!

「大丈夫!わたしの荷物たいした量にならないから。

今日の夜は家に帰っていろいろ準備して明日の朝持ってこようと思う」

「重いんじゃない?」

「平気っありがとうねちひろ」

そう言ってわたしはちひろを抱きしめた。

すると途端に涙が溢れた。

瑞樹と双子のちひろを抱きしめると瑞樹に触れているような気がした。

「真琴苦しいよぉ」

「あっごめん、嬉し過ぎて力が入った。

そろそろ夕食の時間だね、下に行こうか」

「うん」