夕食の後片付けをしていると晴君がコルクボードのプレートを裏にし、ちひろは表にする。
「あれ?晴は明日お昼いらないの?」
「練習試合」
「それ、真琴に言った?」
「言ってない」
そんな2人の会話に食器を洗う手を止めた。
「ん?」
「真琴、明日練習試合なんだって晴。だからお弁当作ってもらえる?」
「わかった」
片付けが終わり、夏君の部屋に行くと空いたお皿が廊下に出されてあった。
全て空になったお皿に安心しているとトレイの隅にメモ紙を見つけた。
そこには、“かなり多かった”と書かれていたけれど、
内容よりもその字に心を奪われた。
「うわ……」
あまりに美しい字に体中の細胞が沸き立つ。
顔に紙を近づけ文字を一つずつ丁寧に見ていくと、思わずため息が漏れた。
どれも素晴らしく形が整っている。
ずっと見ていたくなるその字には宝石のような魅力があった。
ドアに目を向けた。
誰も寄せ付けないオーラーを放つこの強固なドアの向こうに居るのがどんな人なのかが気になった。
滅多に会うことはないとちひろは言っていたけれど、一目でいいから見てみたい。
「あれ?晴は明日お昼いらないの?」
「練習試合」
「それ、真琴に言った?」
「言ってない」
そんな2人の会話に食器を洗う手を止めた。
「ん?」
「真琴、明日練習試合なんだって晴。だからお弁当作ってもらえる?」
「わかった」
片付けが終わり、夏君の部屋に行くと空いたお皿が廊下に出されてあった。
全て空になったお皿に安心しているとトレイの隅にメモ紙を見つけた。
そこには、“かなり多かった”と書かれていたけれど、
内容よりもその字に心を奪われた。
「うわ……」
あまりに美しい字に体中の細胞が沸き立つ。
顔に紙を近づけ文字を一つずつ丁寧に見ていくと、思わずため息が漏れた。
どれも素晴らしく形が整っている。
ずっと見ていたくなるその字には宝石のような魅力があった。
ドアに目を向けた。
誰も寄せ付けないオーラーを放つこの強固なドアの向こうに居るのがどんな人なのかが気になった。
滅多に会うことはないとちひろは言っていたけれど、一目でいいから見てみたい。