暗くなると気分転換に近くの書店に行き、
涼しい店内で本を手に現実逃避すると閉店10分前に店を出た。
交差点を渡り閑散とした道に入ると向こうに人影が見えた。
後ろ姿で顔は見えないけれど男子学生だということはわかる。
しかし妙だ。
7月だというのに彼はブレザーを着ている。
ゆらゆらとさ迷うように歩く彼。
目的地がないみたいにその足取りは朧げだ。
何だか異様に感じ、振り返られるのが怖くて足音を立てずに静かに歩くと本来曲がる筈ではない道を左折し遠回りをして家に帰った。
朝に目が覚めても彼の影がうっすらと頭の片隅に残っていた。
変な雰囲気の人だったな……。
思い出すと何だか悪寒がして、
洗面所に向かうと記憶ごと洗い流すようにじゃぶじゃぶと顔に水を浴びた。
この時は、また彼に会うなんて思ってもみなかった。
けれどそれから数日後、すっかり記憶から消えていた頃に彼はわたしの前に現れた。
そこで彼が口にした言葉にわたしは震え上がった。
涼しい店内で本を手に現実逃避すると閉店10分前に店を出た。
交差点を渡り閑散とした道に入ると向こうに人影が見えた。
後ろ姿で顔は見えないけれど男子学生だということはわかる。
しかし妙だ。
7月だというのに彼はブレザーを着ている。
ゆらゆらとさ迷うように歩く彼。
目的地がないみたいにその足取りは朧げだ。
何だか異様に感じ、振り返られるのが怖くて足音を立てずに静かに歩くと本来曲がる筈ではない道を左折し遠回りをして家に帰った。
朝に目が覚めても彼の影がうっすらと頭の片隅に残っていた。
変な雰囲気の人だったな……。
思い出すと何だか悪寒がして、
洗面所に向かうと記憶ごと洗い流すようにじゃぶじゃぶと顔に水を浴びた。
この時は、また彼に会うなんて思ってもみなかった。
けれどそれから数日後、すっかり記憶から消えていた頃に彼はわたしの前に現れた。
そこで彼が口にした言葉にわたしは震え上がった。