「ここは俺の土地じゃないし許可取る必要ないだろ?」

「じゃあ」

「ただしお前が一歩でもここに入ったら俺は出て行くけどな」

「えっ……」

理斗君はその場に立ち上がると両手をポケットに入れフェンスに寄り掛かる。

「嘘だよ。さっさと入れ、誰かに見られるとまずいだろ」

「あっ、うん」

慌てて入ったせいで段差につまずいてしまった。

「うわっ‼」

「どんくさいなお前」

「ご、ごめん」

「それで、俺に何か用?」

わたしは恥ずかしさで熱くなった顔を隠すように下を向いたまますたすたと歩き、

少し離れた場所で理斗君と同じようにフェンスに寄り掛かった。

「この前はわたしがはっきり話さないせいで理斗君に面倒な思いさせて……」

「別に面倒臭くなって教室出た訳じゃないよ」

「えっそうなの?」

「そんなのいいから話すことあるなら話せよ」

「は、はい、その、この前は理斗君に謝ったけど、ありがとうが正解だったのかなって」

「前から気になってたんだけど、どうしてお前孤立してるの?」

「それは……」

「別に友達出来ないタイプでもないし」