夜、布団に入ると瑞樹のことが頭に浮かんだ。

わたしはスマホを手に取ると“男子高校生橋から転落”で検索した。

するとそれらしい見出しが表示されタップした。

そこに書かれていたのは紛れもなく瑞樹のことだった。


【25日午後20時頃、県内の高校へ通う17歳の男子高校生が工事中の橋から転落し川に流され死亡しました。

25日午後20時頃消防に「男性が工事中の橋から転落した」と目撃者からの通報があり消防が駆け付けたところ転落した場所から30メートルほど下流で男性を発見、病院に搬送されましたがおよそ1時間後に死亡しました。

死亡したのは高校2年生の葉山瑞樹さん17歳で、葉山さんは意識が朦朧とした状態で工事現場のバリケードを乗り越えそのまま橋から転落したとの目撃情報が入ってきています。現在警察が事故の詳しい状況を調べています】

瑞樹の顔が浮かんだ。

瑞樹の声を思い出した。

歩いていく後ろ姿が浮かんで、3日後の約束を思い出した。

瑞樹が死んだという事実はどこまでも現実味を欠いていた。