どんどん重くなる足をまた一歩前に出した時、突然強い風が吹く。
ガッシャンと、いくつもの金属がアスファルトにぶつかる音が鳴り響き、足を止め音の方に目を向けようとした瞬間───。
「キャッ!!」
目の前を物凄いスピードで自転車が横切った。
身をすくめ、顔を上げると驚いた。
わたしが立っていたのは横断歩道の前。
信号は赤。
わたしは今、この赤信号の横断歩道を渡ろうとしていた。
それほどまでにぼーっとしていたことを知って怖くなる。
そういえばさっきから音響式信号機の音が鳴っていたことを耳が覚えていた。
聞こえていたのに聞こえていなかった。
もしも今、もう一歩足を踏み出していたらあの自転車に、もしくは車にひかれていた。
でも、わたしは赤信号の横断歩道の前で止まっている。
どうしてわたしは止まったんだった?
少し前のことを思い出してみる。
急に強い風が吹いて大きな音が聞こえて───さっき音がした方を見ると自転車がドミノ倒しになっている。
瑞樹だ!!
青く穏やかに晴れた空の下、風は優しく吹いている。
雲もゆっくりと流れている。
こんな穏やかな日に突然あんな強い風は吹かない。
瑞樹がわたしを助けてくれたんだ。
でも……これはやり過ぎだよ。
瑞樹が倒した自転車は10台以上。
わたしはそれをせっせと起こすと瑞樹に聞こえるように心の中で大声を上げた。
『ありがとう瑞樹助けてくれて‼もう大丈夫だから‼』
ガッシャンと、いくつもの金属がアスファルトにぶつかる音が鳴り響き、足を止め音の方に目を向けようとした瞬間───。
「キャッ!!」
目の前を物凄いスピードで自転車が横切った。
身をすくめ、顔を上げると驚いた。
わたしが立っていたのは横断歩道の前。
信号は赤。
わたしは今、この赤信号の横断歩道を渡ろうとしていた。
それほどまでにぼーっとしていたことを知って怖くなる。
そういえばさっきから音響式信号機の音が鳴っていたことを耳が覚えていた。
聞こえていたのに聞こえていなかった。
もしも今、もう一歩足を踏み出していたらあの自転車に、もしくは車にひかれていた。
でも、わたしは赤信号の横断歩道の前で止まっている。
どうしてわたしは止まったんだった?
少し前のことを思い出してみる。
急に強い風が吹いて大きな音が聞こえて───さっき音がした方を見ると自転車がドミノ倒しになっている。
瑞樹だ!!
青く穏やかに晴れた空の下、風は優しく吹いている。
雲もゆっくりと流れている。
こんな穏やかな日に突然あんな強い風は吹かない。
瑞樹がわたしを助けてくれたんだ。
でも……これはやり過ぎだよ。
瑞樹が倒した自転車は10台以上。
わたしはそれをせっせと起こすと瑞樹に聞こえるように心の中で大声を上げた。
『ありがとう瑞樹助けてくれて‼もう大丈夫だから‼』