放課後、理斗君と雑貨屋さんに行くとカフェに寄った。

新しくできた雑貨屋さんには可愛いものがたくさんあったけど、

どれも高くてわたしの手には届かないものばかりだった。

「うわっ!このマグカップ2500円もする!」

「買ってやろうか?」

「いい!買ってもらっても割るのが怖くて使えないから」

 わたし達は離ればなれの2年間に備えて沢山の思い出を作った。

週末は理斗君の部屋で徹夜したこともあった。

いくらあっても時間は足りなくて話は尽きない。

理斗君と過ごす時間が楽しくて、楽しければ楽しい程後になって寂しい気持ちに襲われた。

2年後にワープできたらいいのに、なんて叶わないことを思ったりした。

 冬休み前にイルミネーションを見に行く約束をしていたのに天気の悪い日が続き、

見に行けないまま冬休みに突入した。

しかも、ちひろの家でのアルバイトはしばらく休むことになった。

なんでもちひろのご両親があさってには帰ってくるらしく、

せっかく日本に帰ってきたのに家族以外の人間が居てはゆっくりできないとのことだった。

冬休みは毎日ちひろの家で過ごせると思っていたのに残念過ぎる。

 しばらく来ることのない部屋を片付けているとドアをノックする音が聞こえ、返事をすると現れたのは理斗君だった。

「荷物まとめてたの?」

「うん、明日にはここを出なきゃだし……」

「明日、天気いいみたいだし夜イルミネーション見に行く?」

「うん!行く!絶対に行く!」

 そして次の日。

わたし達は本屋で待ち合わせをするとイルミネーションを見に行った。

ところが寒過ぎてゆっくり見て回るのは無理だった。

一通り見て回るとコンビニで温かい飲み物を買ってわたしの家に向かった。