わたしは瑞樹にどうしても自分の気持ちを伝えたかった。

それはもしかすると瑞樹を苦しめてしまうかもしれない。

それでも言葉にせずにはいられなかった。

「わたし、瑞樹のことが大好きだよ。

だから……ずっとこのままここに居て欲しい」

そんなことは不可能だとわかっている。

張り巡らせてあった道のどこを通っても初めから同じところに辿り着くようになっていて、

今、この瞬間もそこに向かって進んでいる。

どんなに抵抗しようとも瑞樹に残された時間は決まっていて、

どんなルートを通ろうとも最短距離で辿り着くようになっていた。

でも、もしかしたら瑞樹の意志でそれを変えることができるかもしれないと、

まだそんなことを期待してしまう。

 瑞樹はにっこり笑うと「僕も真琴が大好きだよ」と言って言葉を続ける。