文化祭の振り替え休日が終わり水曜日から始まった学校に岬さんは来なかった。

夜になると【今週いっぱい休むけど心配しないで】とメッセージが届いた。

 それから2日が経ち金曜日の今日、

今日が来るまで長かったのか短かったのかはよくかわからない。

意識が浮遊していて、常に身体と心が別々の場所にあって、気が付くと長い時間が過ぎていて、

かと思えば時間が止まっているように進まない時もあった。

 瑞樹の部屋に行く時間まで後1時間。

ベッドでうずくまり、瑞樹が居なかった時のことを考えて悲しみに震えている。

そして悲しみは次第に恐怖へと変化した。

瑞樹が居なくなった時に襲ってくる悲しみがどれ程のものかと考えると怖くて怖くて仕方がなかった。

 無目的にスマホを操作しながらふと、なつきの詩を開くと新しい作品が投稿されていた。

わたしはベッドから体を起こすと画面をスクロールしていく。

短い詩を読み終えると凍り付く。

あまりにも見覚えのあることが書かれている。

そんな筈ない……。

そう思ってもう一度読んでみるけれど、

疑いようがない。

【「海の底にいた」

それは苦しかったね

ようやく電話の向こうから寝息が聞こえてくる

───せめて夢の中では傍に居てやって】

それは理斗君しか知らないあの日のわたしだった。