今まで堪えてきた感情が溢れてしまった。

「真琴、どうしたの急に?」

「急にじゃない、ずっと前から思ってたよ。居なくならないでよ瑞樹っ」

「それは……」

「前に瑞樹言ってたもん、どのくらいこの世に居られるの?って聞いた時、突然この世から消えてしまいそうな気もするし、

僕の意思でどうにでもなりそうな気もするって。

だったら瑞樹の意思でずっとここに居てよ!わたしの前から居なくなったりしないで!岬さんの為にも……」

瑞樹がすごく困っている。

こんなこと言うつもりなかった。

でも、言ってしまった。

 向こうから来た自転車が脇を通り過ぎる。

あの人からすればわたしは道路に立って大きな声で独り言を言っている危険な人に見えただろう。

「真琴?顔を上げてくれる?」

顔を上げるとそこには穏やかな笑顔でわたしを見る瑞樹。

瑞樹は自分の頬を人差し指で2回突くと髪の毛を寄せるようなしぐさをする。

わたしはそれを見て顔に掛かった自分の髪の毛を寄せた。

「真琴」

「……」

瑞樹はわたしの隣に並んだ。

「歩きながら話そうか」

「……」