「そんなの違うよ!中村さんのことが大好きな瑞樹がそんなの望む筈がないよ!」

「そうかもしれないけど、わたしは罪を背負って生きていかなきゃいけないの。楽になっちゃ駄目なの」

「違う!罪を背負って生きていかなきゃって、そう思っている方が楽なんだよ!

自分のせいだって自分を責めている方が楽なんだよ!

自分のことばっかり、瑞樹の気持ちは?瑞樹の気持ち考えてよ!」

「橘さん……どうしてそんなに……」

どうしてってそれは瑞樹の気持ちを知ってるから、

ずっと瑞樹を見てきたから……でも、岬さんは知らないんだ。

自分を責めることを瑞樹が望まないことは岬さんも知っている。

でも、瑞樹から聞いた訳じゃない。

だからこんな風に考えてしまって当然なんだ。

仮にここで岬さんが前向きな答えを言ったとしても、

わたしはやっぱり同じように声を上げていた。

どっちにしても同じ。

自分に呆れる。