今日も瑞樹の部屋に戻って来るとベッドの脇に座り、

その綺麗な顔を見つめる。

瑞樹は夢を見たりするのだろうか。

ふと浮かんだ疑問は無性にわたしを寂しくさせる。

今はまだ目の前に居るからそんな疑問が生まれる。

明日瑞樹に聞くことだってできる。

けれど、瑞樹が居なくなったら……。

 悲しみが心を支配する。

喪失感に襲われる。

瑞樹の笑顔が浮かぶ。

瑞樹と一緒に公園で見た月を思い出す。

思い出じゃない。

思い出している。

「瑞樹……」

名前を呼んでみた。

返事はない。

でも、ここに瑞樹は居る。

ベッドに突っ伏しいつの間にかわたしは眠っていた。