「僕の方が上手に焼けたよ!」

「あ~少し焦げてるね……」

肉がもったいなくて泣きそうになる。

「ビビって焼き過ぎなんだよお前は」

理斗君がそう言うとムキになるちひろ。

でもその戦いはちひろの完敗で終わった。

「だって生だったらお腹壊しちゃうでしょ!理斗は焼かな過ぎなんだよ!」

理斗君は自分が焼いた肉をちひろのお皿に乗せる。

ちひろは自分のと食べ比べると「僕、野菜焼く」と言って網の上にカボチャを乗せた。

そんな様子に理斗君が吹き出すと晴君と葵ちゃんも、そしてちひろまでもが笑った。

わたしは4人を幸せな気持ちで見ていた。