パーティールームに併設された1階のオープンキッチンはまるでレストランのよう。

2階のキッチンは白で統一されているけれど、

1階のキッチンは光沢のある黒とブラウンで統一されシックな雰囲気だ。

そして理斗君の言う通り作業台の上にはとんでもない量のいろんな肉が並んでいる。

後でちひろにいくら使ったのかを聞いたら「10万ちょっと」と答えたから言葉を失った。 

 準備が整い外に出ると庭園灯で照らされた夜の中庭は素敵な雰囲気になっていた。

「じゃあ始めよう」

ちひろの合図で理斗君と晴君が食材を焼き始めた。

「僕達が焼くから真琴はゆっくりしていて」

ちひろにそう言われ、葵ちゃんの隣に座ると3人の様子を眺めながらおしゃべりをした。

「大丈夫かな?」

「丸焦げ嫌だな」

「あははっそうだね」

理斗君が焼けた牛肉をわたしのお皿に乗せてくれた。

「理斗君焼くの上手だね!」

そんなことを言うと今度はちひろがわたしのお皿に少し焦げた肉を得意げな顔で乗せる。