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 瑞樹にどう話そうかを考えながら河川敷に寄るとそこにはちひろが居た。

「真琴」

「あれっちひろ」

ちひろはわたしに駆け寄ると手首を掴む。

そして大きな古木の下に設置されたベンチに座らせた。

「ここで話そう」

「うん」

穏やかに揺れる川面を見ながらちひろは突然それを口にした。

「僕、ずっと前から真琴のことが好きなんだよ」

えっ?

前を見つめるちひろに笑顔はない。

「ちひろ?それって……友達としてってこと?」

その質問にちひろはすぐに答えた。

目線は前を見たまま、少し低くおとなしい声でそれは伝えられた。

「違うよ。僕は真琴を彼女にしたいって思っているんだよ。

本当はもっともっとずーっと前に言いたかった。

けど、その時はまだで、今も本当はまだだったんだけど……真琴が取られちゃいそうで……それで。

本当はね、真琴よりも背が大きくなったら告白しようって思ってたんだけど……」

ちひろがわたしの身長を抜くと宣言してからもう2年半が過ぎている。

あの頃からちひろは───。