***
文化祭が終わった後の教室。
中途半端に片付けられた教室にはわたしと岬さんしか居ない。
さっきまでの賑わいを含んだ静けさの中、わたしは岬さんに声を掛けた。
「中村さん、ちょっと話したいことがあるんだけどいい?」
「どうぞ」
わたしはテーブルクロスに使った生地を畳みながら話した。
「中村さんは……瑞樹のことをどう思っていたの?」
椅子に上がり壁に張ったレンガ模様の布を剥がしていた岬さんが振り返る。
「橘さんと瑞樹は親しい仲だったの?」
「まぁ…」
「ごめんね質問されているのに質問をしてしまって。
“瑞樹”て呼んでいるから親しい仲だったのかなって」
「うん、親しい仲だと思う」
「そう……だったら瑞樹からわたしの話は聞いていたってことかな?
また、わたしが質問しちゃってるね」
「うん、聞いてたよ。瑞樹は岬さんのことが凄く好きだった」
岬さんは椅子から降りると剥がした布を握りしめた。
文化祭が終わった後の教室。
中途半端に片付けられた教室にはわたしと岬さんしか居ない。
さっきまでの賑わいを含んだ静けさの中、わたしは岬さんに声を掛けた。
「中村さん、ちょっと話したいことがあるんだけどいい?」
「どうぞ」
わたしはテーブルクロスに使った生地を畳みながら話した。
「中村さんは……瑞樹のことをどう思っていたの?」
椅子に上がり壁に張ったレンガ模様の布を剥がしていた岬さんが振り返る。
「橘さんと瑞樹は親しい仲だったの?」
「まぁ…」
「ごめんね質問されているのに質問をしてしまって。
“瑞樹”て呼んでいるから親しい仲だったのかなって」
「うん、親しい仲だと思う」
「そう……だったら瑞樹からわたしの話は聞いていたってことかな?
また、わたしが質問しちゃってるね」
「うん、聞いてたよ。瑞樹は岬さんのことが凄く好きだった」
岬さんは椅子から降りると剥がした布を握りしめた。