「今まで通りでいいから。お前がずっとそのままでいる限り、俺は勝手に好きでいるってだけ。

別にどうこうしたいとかそういうんじゃないから。

悪い話じゃないと思うけど?」

きっと理斗君はわたしを困らせないように、わたしに負担を掛けないようにそう話してくれたんだと思う。

今のわたしはその言葉に甘えるしかなかった。

理斗君の気持ちは嬉しいのに、自分がどう思っているのかを考えると途端に(もや)が掛かって見えなくなる。

今は瑞樹のこと以外考えられないようになっていた。

「ありがとう理斗君。わたし今ね、凄く大切で何よりも優先させたい物事があってまったく余裕がないんだ」

「俺のはただの報告、だから……振るとか無しな」

理斗君はちらっとわたしを見ると鼻で笑った。