どのくらいの時間が経ったのだろう、何とかイメージする絵が描け後は真ん中に“welcom”の文字を入れるだけとなった。
ところが何度書いてもうまく書けない。
うまく書けないどころか下手過ぎる。
書いては消してを繰り返し、後ろを振り向くと理斗君と目が合った。
「どうしよう…うまく書けないんだけど。理斗君書ける?」
理斗君の字は上手だけど、こういうところに書く字体とはだいぶ異なる。
理斗君はメニューを書く手を止めるとこっちに来てくれた。
「お前さ、こんなに黒板にカフェで出すもの描いたら俺が作っているメニュー表いらなくなるだろ」
「あっ、ご、ごめん…けど、ほら理斗君が作ったメニュー表だと知ったら欲しがる人いっぱいいるんじゃ…」
「下らねぇこと言ってんなよ」
理斗君はわたしの手からチョークを奪うと何の迷いもなく手を動かしていく。
あっという間に書かれたwelcomは、わたしがイメージするそれと一緒だった。
「凄い、こんな字体も書けるんだ」
黒板が完成し教室からは感嘆の声が上がる。
そこにちょうど綾音さん達が戻ってきた。
「うわっすご‼学級委員めちゃくちゃ絵上手いじゃん!!」
「あ、ありがとう」
お礼を言うと他の人からもお褒めの言葉が飛んできた。
クラスの一員になれた気がして嬉しかった。
初めて学校行事を楽しいと思えて、ようやくわたしの高校生活が始まった、そんな感じがしていた。
ところが何度書いてもうまく書けない。
うまく書けないどころか下手過ぎる。
書いては消してを繰り返し、後ろを振り向くと理斗君と目が合った。
「どうしよう…うまく書けないんだけど。理斗君書ける?」
理斗君の字は上手だけど、こういうところに書く字体とはだいぶ異なる。
理斗君はメニューを書く手を止めるとこっちに来てくれた。
「お前さ、こんなに黒板にカフェで出すもの描いたら俺が作っているメニュー表いらなくなるだろ」
「あっ、ご、ごめん…けど、ほら理斗君が作ったメニュー表だと知ったら欲しがる人いっぱいいるんじゃ…」
「下らねぇこと言ってんなよ」
理斗君はわたしの手からチョークを奪うと何の迷いもなく手を動かしていく。
あっという間に書かれたwelcomは、わたしがイメージするそれと一緒だった。
「凄い、こんな字体も書けるんだ」
黒板が完成し教室からは感嘆の声が上がる。
そこにちょうど綾音さん達が戻ってきた。
「うわっすご‼学級委員めちゃくちゃ絵上手いじゃん!!」
「あ、ありがとう」
お礼を言うと他の人からもお褒めの言葉が飛んできた。
クラスの一員になれた気がして嬉しかった。
初めて学校行事を楽しいと思えて、ようやくわたしの高校生活が始まった、そんな感じがしていた。