4人がそんなことを話す中、わたしはその外観をじっくりと見ていた。

「段ボールだから立体的で、高級感があるっていうのかなぁ。画用紙だったらこうはならないもんね。本当に凄い……」

「そう!紙でも試してみたけど全然ダメだったし。てか黒板にも何かやった方が良くね?絵を描くとか?」

「あっ!いいかも、じゃあ4人に任せてもいい?」

わたしがそう話すと全員が顔をしかめた。

「こん中で絵を描けるやつ1人もいないし。うちのクラスで誰か絵がうまいやつ居るの?」

綾音さんは教室に入ると「こん中で絵描けるやつ~」と右手を上げるけど誰からも反応はない。

そこでわたしは勇気を出して名乗り出た。

「あの……わたし描こうかな」

「えっ?学級委員絵描けるの?」

綾音さんに聞かれ「少しは」と答えると黒板に向かった。 

 カフェで出す飲み物や食べ物を描くことにし、全体的なデザインをイメージする。

こんなに大きな場所に絵を描くのは初めてで、黒板の大きさを活かすような絵を描くのはわたしには難しいようだった。

そこで、カフェにあるウエルカムボードを意識したようなものを描くことに決めた。

 チョークを持つと綾音さんが「うちら他のクラスの偵察に行ってくる」と言って教室を出ていった。

真ん中に″welcome″の文字を入れることを考えて右下から絵を描いていく。