文化祭前日になり、学校ではあちらこちらで準備が行われている。

わたし達のクラスでも慌ただしく準備が行われていた。

 綾音さん達には入口の飾りつけをお願いし、字が上手は理斗君にはメニュー表の作成と入口に置くメニュー看板の作成を、

調理が苦手な男女には客席作りやレンガ柄の布を壁に貼る作業をお願いした。

わたしは当日調理をやってもらうみんなに、昨日家で作ったレシピを配ると調理の説明を行った。

一通り説明が終わり教室の飾り付けをしていると綾音さん達がわたしのところへ来た。

「ちょっと学級委員、表の飾りつけ見てくれる?」

「あっはい!」

綾音さんに声を掛けられ顔がほころんだ。

 廊下に出るとそこには想像以上の光景が広がっていた。

「うわっ凄い!おしゃれ!」

「だろっ」

壁一面にはレンガに見立ててそれぞれ3種類の茶系で色付けした長方形の段ボールが張られてある。

驚くわたしを見て綾音さんが得意気な表情を浮かべる。

「これ、大変だったんじゃない?」

「段ボール切るの面倒だった。固いし手が痛くなって」

「そうそう」

「あたしなんてここの皮剥けたからね」

「もう二度とやりたくないんだけど」