約束通り1時間後に3人は現れた。

そして玄関に入った瞬間3人は目を丸くした。

「玄関ひっろ!」

「えっホテルみたい……デカいオブジェあるし!」

「天井の高さヤバいよ」

豪邸の威力は凄まじく、あっという間に3人は葵ちゃんと仲良く話し始めた。

「凄い葵の家!後で家の中案内してよ!」

「うん」

「葵の家の人って医者とか?」

「あっ…え~と、ホテルの経営してる」

「へぇ~そうなんだ。将来は葵が継ぐの?」

「いや…お兄ちゃんが……」

「ふ~ん、葵って何人兄弟?」

「5人」

「えっ!そんなに居るの?」

突然大きな声を出され葵ちゃんは驚いたように少し体を仰け反るとコクリとうなずいた。

それからもたくさんの質問が飛び交うけれどどの質問にも葵ちゃんは返答するまでに時間が掛かった。

この状況にまだ戸惑っていてうまく言葉が出てこないのはわかるけど、

自分のことは棚に上げてもどかしさを感じていた。

早く慣れればいいのにと思ったけどそんな焦りは不必要だった。

わたしが出した飲み物の感想を適当に話すと3人は葵ちゃんに案内され家を見て回った。

時折賑やかな声が聞こえてきた。