教室に向かう中、ずっと葵ちゃんのことが頭から離れなかった。
久しぶりに登校してきた葵ちゃんが注目の的になったのは当然のこと。
何か言われただろうし、聞こえるように陰口を言う人も居たと思う。
それがどんなに嫌な時間かはわたしにも想像が付く。
教室の前に着き、少しでも時間差で入ろうとするけれど岬さんがそれをさせなかった。
岬さんの手が背中に触れ、二人三脚のように教室へと入るわたし達。
登校時間ギリギリの教室ではすでに全員が揃っている。
わたしは誰とも目線を合わせないように、自分の席に向かった。
すると綾音さんの声が聞こえてくる。
「えっ?何でその組み合わせ?」
岬さんが答えてくれた。
「夏休み中にたまたま会って、それで仲良くなったの、ねっ」
岬さんの“ねっ”に体が硬直した。
「う、うん…」
昼休みになると岬さんと一緒にお弁当を食べた。
初めて岬さんと学校で過ごす時間は驚く程自然で、
ずっと前から友達だったかの様に緊張せずに過ごせた。
楽しいとすら感じた。
だけどその度に“瑞樹を裏切った人”という事実が頭をよぎった。
久しぶりに登校してきた葵ちゃんが注目の的になったのは当然のこと。
何か言われただろうし、聞こえるように陰口を言う人も居たと思う。
それがどんなに嫌な時間かはわたしにも想像が付く。
教室の前に着き、少しでも時間差で入ろうとするけれど岬さんがそれをさせなかった。
岬さんの手が背中に触れ、二人三脚のように教室へと入るわたし達。
登校時間ギリギリの教室ではすでに全員が揃っている。
わたしは誰とも目線を合わせないように、自分の席に向かった。
すると綾音さんの声が聞こえてくる。
「えっ?何でその組み合わせ?」
岬さんが答えてくれた。
「夏休み中にたまたま会って、それで仲良くなったの、ねっ」
岬さんの“ねっ”に体が硬直した。
「う、うん…」
昼休みになると岬さんと一緒にお弁当を食べた。
初めて岬さんと学校で過ごす時間は驚く程自然で、
ずっと前から友達だったかの様に緊張せずに過ごせた。
楽しいとすら感じた。
だけどその度に“瑞樹を裏切った人”という事実が頭をよぎった。