次の日の夜、瑞樹のところに行く前に理斗君の部屋に行った。
「この前ちひろ、わたし達が一緒にカフェに居るところ見掛けたって」
理斗君は「そう」と短く返事をすると読んでいた本をテーブルに伏せた。
わたしは理斗君にどうして後継ぎになろうとしているのかを聞いてみた。
後継ぎになる為にちひろが頑張っていることを理斗君だって知っている筈、
理斗君は言ってみればちひろの父親が浮気相手との間に作った子供。
それでも理斗君からすれば自分の父親で、だから会社の後継ぎになる資格がない訳ではない。
だけど現状で考えると理斗君が身を引くのが妥当なのかと話を聞く前のわたしは思っていた。
「どうして理斗君は後継ぎになろうとしてるの?」
「会社を取り返す為」
首を傾げるわたしに理斗君は事情を話してくれた。
理斗君の父親が経営する株式会社葉山モーメンツは元は株式会社夏木企画だった。
夏木企画とは理斗君の母方の祖父が始めた会社で、
結婚を機に理斗君の父親が夏木企画の社長になったという。
わたしはその時点でわからなくなった。
話の通りだと理斗君は浮気相手の子ではなくなる。
「どういうこと?それだと理斗君のお父さんは理斗君のお母さんと結婚してたってことになるけど……」
理斗君はうなずくと「浮気相手はちひろの母親の方」と話した。
真実を知って驚きつつも、頭の中ではもうひとつの疑問が生まれた。
理斗君はちひろの1つ年下。
ということは、理斗君の父親は先に不倫相手との間に子供を作ったことになる。
「この前ちひろ、わたし達が一緒にカフェに居るところ見掛けたって」
理斗君は「そう」と短く返事をすると読んでいた本をテーブルに伏せた。
わたしは理斗君にどうして後継ぎになろうとしているのかを聞いてみた。
後継ぎになる為にちひろが頑張っていることを理斗君だって知っている筈、
理斗君は言ってみればちひろの父親が浮気相手との間に作った子供。
それでも理斗君からすれば自分の父親で、だから会社の後継ぎになる資格がない訳ではない。
だけど現状で考えると理斗君が身を引くのが妥当なのかと話を聞く前のわたしは思っていた。
「どうして理斗君は後継ぎになろうとしてるの?」
「会社を取り返す為」
首を傾げるわたしに理斗君は事情を話してくれた。
理斗君の父親が経営する株式会社葉山モーメンツは元は株式会社夏木企画だった。
夏木企画とは理斗君の母方の祖父が始めた会社で、
結婚を機に理斗君の父親が夏木企画の社長になったという。
わたしはその時点でわからなくなった。
話の通りだと理斗君は浮気相手の子ではなくなる。
「どういうこと?それだと理斗君のお父さんは理斗君のお母さんと結婚してたってことになるけど……」
理斗君はうなずくと「浮気相手はちひろの母親の方」と話した。
真実を知って驚きつつも、頭の中ではもうひとつの疑問が生まれた。
理斗君はちひろの1つ年下。
ということは、理斗君の父親は先に不倫相手との間に子供を作ったことになる。