理斗君のため息を含んだような声が聞こえてきた。

「どうしても彼と結婚するの?」

「もう決めたことだから。この話はもうおしまい。

こんなの生徒と先生の会話じゃないわ」

すぐに返答する莉子先生に理斗君も即、言葉を返した。

「俺が来年の春から2年間アメリカに留学するの知ってるよね?」

えっ?理斗君アメリカに留学するの?

「えぇ」

「屋上鍵、アメリカに持っていこうかな」

「駄目よ、今すぐ返して」

「こういうのが生徒と先生の会話?」