私たちの背筋が凍るのを感じる。

 白龍、その伝説に出てきた名前が出るとは何事だ。

 白龍は神聖な存在としているのに何をほざいているんだ?

 そう思っているとリズの体が震えていることに気づく。
 
 「リズ、どうしたの?」
 
 私が聞くと震えた声で言う。
 
 「なんで……ここに龍神教がいるの……」
 
 龍神教という言葉に私は馴染みがない。
 
 するとレズリタが小声で教えてくれる。
 
 「龍神教は龍を信仰し、各地で犯罪行為を起こしてる奴らさ……各国から危険視されている集団だよ」
 
 龍神教......聞けば聞くほど恐しい奴らだ。

 するとエリックがにヨルフ向けて大声をあげる。
 
 「お前らの目的はなんだ!」
 
 すると青年は不機嫌になり首を捻る。
 
 「君たちさぁ? さっきから僕に対しての礼儀が足りていないんじゃないの? まあ僕は寛大な心を持ってるから? 教えてあげてもいいけど」
 
 傲慢な口調にいらつきつつ私はヨルフを睨みつける。
 
 「僕の目的は平和な世界を作る事だよ。白龍はそれを望んでいるからね、君らも僕の素晴らしさに感謝するべきじゃないかな?」
 
 そう言った後ヨルフの顔からは狂気的な笑いが止まらない。
 
 その言葉を聞いたエリックは飛び出し大剣をヨルフに振り下ろす。
 
 しかしヨルフは剣を避けた。

 いや避けたんじゃない、当たっていなかったのだ。
 
 「どういうことだ!?」
 
 エリックが驚愕しながら後ずさる。
 
 「君ら弱すぎないかい?  よく冒険者なんてやっているなあ?」
 
 私は何がどうなっているのかわからなかった。
 
 するとリズが剣を握りしめ前に踏み出す。
 
 「許せないよ……」
 
 そしてリズは瞬間移動するかのようにヨルフに突進し突きを放つ。

 しかしそれでも当たらない。