するとレズリタが口早に話し始める。
 
 「やった――!! 4人パーティー結成だね! ラゼルもそれでいいよね!?」
 
 私は流れるようにパーティーに入った上に返事を求められて混乱したが、私も勿論異論なくすぐに承諾した。するとエリックが話しを始める。
 
 「そういえば俺のスキルを説明してなかったな、見ての通り大剣を使う戦士職だよ。あと冒険者ランクはAだ。」
 
 それを聞いてレズリタが驚嘆する。
 
 「凄すぎるでしょ……!」
 
 それに続いてリズも口を開き。
 
 「めちゃくちゃ強いじゃないですか!」
 
 私もエリックの実力はとても凄いと思う。

 冒険者ランクAって響きからして最強な気がするし、そんな人と依頼を受けられるなんて嬉しかったりもする。

 するとエリックが照れながら話し始める。
 
 「そう言ってくれるのは嬉しいが、ちょっとその褒められ方は恥ずかしいな……」
 
 嬉しそうにエリックは笑う。そんな雑談をしていると突然馬車が揺れて止まる。

 馬車の職員が何か言っている。
 
 「なんだあれは......」
 
 職員につられるように外を眺めるとそこには王都が見える。

 だが王都の門の近くに大量の魔物がいる。
 
 「王都前に魔物!? どうして王都にこんな数の魔物がっ!」
 
 職員がそう叫ぶ。私達も戸惑いを隠せない。けど考えてても埒が明かない。

 すると職員が誰かと連絡し始めた。
 
 「魔物が大量に王都付近に現れました、この量だと王都の中には入れないと思います……」
 
 職員は対話鏡を通じて王都の者と会話をしているみたいだった。

 そして数分後、職員は対話鏡をしまい私達に状況を説明してくれる。
 
 「どうやら何者かが王都の結界を壊し、大量の魔物が入ってきたようです! 国王様が騎士団を集めすぐにでも討伐する予定ですが冒険者達も協力して倒して欲しいとのことです!」
 
 するとそれを聞いたリズが口を開く。
 
 「もちろん協力します! 私達も冒険者なので!」
 
 するとレズリタも続く。
 
 「騎士団だけじゃ大変な場合もあるだろうから私も協力するよ」
 
 「俺も同感だ。なんたって俺の実力をしっかり見せつけたいからな」
 
 エリックもそれに続く。正直私は乗り気ではない。

 危険な行為だからだ、下手に近づけば死ぬ可能性だってあるのだ。

 そんな私をエリックが背中をポンッと叩くと口を開く。
 
 「何びびってんだよラゼル、俺達となら絶対勝てる!」
 
 エリックがそう笑いかけてくれると私は自然に安心感に包まれていくのが分かった。

 そんなエリックの言葉を聞いて私は安心してしまう。

 本当に頼りになるなぁ……なんて思いつつ、こんなかっこよくて強い人と一緒なら大丈夫なんじゃないかと思ったりするのだ。

 そんなこんなで馬車から降り私たちは作戦を考えるのであった。