親友には、今回のことも話していたので

いつものように話を聞いてくれる感じで

連絡をして来たのかな…と思っていた。



親友は来るなり

「ゆうこ、旦那と別れた方がいいよ」

親友はそんなこと言ったことがなかったのに…

「ゆうこ、おかしいよ。よく考えてごらん」



確かに、私は親友の言葉で

元夫と別れる決意をする。



でも今ではない…

どうして?

早すぎるんだけど…



親友は、戸惑っている私に

これから起こることを話し始めた。

待って…

なんでそれを知っているの?

私が不審な顔をしていると…

「信じて貰えないと思うけど…私、どうやら急に過去に戻って来たみたい。

タイムリープっていうやつ?」

と話し始めた。

「ゆうこが、今大変な思いをしてるから…」

「どうせダメになるんだし、早い方が良いと思って…」



私は、このままでは未来が変わってしまうと思い

すべてを打ち明けた。

私は、どうしても「あの人」に会いたいこと…

だから、分かっていても過去を変えないと決意していること。

今から起こることもすべて知っていること。

そして、私にあの言葉を言ったあの時に

その言葉を言って欲しいと…



親友は分かってくれた。

「私は、ゆうこの味方だから…どんな協力でもする」

そう言ってくれた。

まさか、私以外にもタイムリープした人がいるとは

思わなかった…



今までの出来事は

本当に順調に、忠実に

起こっている…

親友だったから良かったけど、

あと少しで「あの人」に会えるのに…

もしかしたら、他にもいるのかも?

不安になった…



でも、私は今できることをする。



元夫は、隣の県の時間がかかる刑務所に移送された。

その頃は、高速道路が一部出来ていて

時間は短縮されたけれど…

それでも3時間かかる。

しかも、一人で日帰りで

二男を連れて行くのは難しい。



元夫は、ある提案をしてきた。

最初は面会は月に1回。

月末と月初めが平日にあたる日

泊りで来れば

2日続けて面会が出来るという。

だから、長男の学校が長期休暇のある

3月、7月に会いに行くことにした。

12月は、年末年始で面会も出来ないから

1日だけ面会することに…

長男に荷物を持ってもらい

私は二男を抱っこして

バスで移動。

そして、安いホテルに泊まった。

楽しみもないといけないから

夜は、近くのボーリング場へ…



今まで長男を面会に連れて行ったことがなかったから

長男にとっては、初めての父親との面会生活。

よく一緒に行ってくれた。

本当に頼もしい長男になった。



出産費用の返済、元夫のカード盗難の被害弁償。

払うものも多く、大変だったけれど

これがあったから

長男も、強くなれたのかもしれない。



手紙は毎日書いた。

そんな苦労も無意味なんだけどね…と思いながらも

忠実に…毎日書いた。

私が書く手紙が毎日届くって

元夫には重要なことなのだろうか…

こっちの世界では

毎日、目まぐるしく色々なことが

起こっている。

二男を寝かせてから、寝る前に手紙を書く。

疲れて寝てしまいたくても

書かなければいけない。

正直、意味のない手紙をを書くのは

未来のためとはいえ、辛かった…



そんな生活を続ける中で

あの男が行動を起こしてくる…