二男が生まれて、生活は一変した。

でも、元夫も二男が可愛くて仕方ないようで…

どんなにウロウロしようとも帰って来て

お風呂に入れてくれた。



二男は、なかなか寝ない子で

お風呂に入れたら疲れて寝るかなと思っても

寝てくれない…

テレビが砂嵐になって、それを聞いていたら

寝てくれるかなと思っても寝てくれない。

車に乗るとすぐ寝るので

夜中に元夫と3人でドライブをして

寝かせたりしていた。

元夫は、私の母乳がよく出るようにと

団子や大福を買って来てくれたり

クズだけどマメな人だった。



私は、二男の寝顔を見ながら

自分も横で寝る時に、すごく幸せを感じていた。

ささやかな幸せ…



生活保護の担当が

個人病院でも出産費用が出ると言ったから

個人病院にしたのに

いざ、聞いてみると

一部しか出ないと言う。

自分はそんなこと言ってないと…

個人病院は高いので

20万くらい差額が出てしまった…



病院に行って

分割にさせて欲しいとお願いしてみた。

心よく良いと言ってくれたから良かったけれど…



ささやかな幸せを感じながら

生活する毎日…

可愛くて仕方なくて…

赤ちゃんの頃の二男は

なんとなく…母に似ていると感じていた。

そんな毎日も

もうすぐ崩れていく…



1度目の人生では

そんなことなんて思いもせず…

幸せを感じていた。



二男が生まれて1か月半経った頃

元夫は、いつも通り出かけて行った。

借りていた駐車場は遠くて

いつも歩いて駐車場に行っていた元夫。

元夫が出かけて少しして

電話が鳴った。

「鞄を取りに来て欲しい」

と言われたが、周りがなんだか騒がしい…

少しして電話に代わったのは

刑事さんだった。

5度目の逮捕…



「私は、これからどうやって

一人で二男を育てたらいいの?」

涙も出なかった。

本当に悲しい時は、涙も出ないんだ…

そう、思っていた前回の人生…



今回は、分かっていたけれど…

心も体も正直で…

眠れないし

急に汗をかいたり

色んな症状が出る。

自分ではどうしようもなかった…



元夫の逮捕を父に知らせたら

「生まなければ良かったな…」

と言った…

悲しかった…

また父に悲しい思いをさせてしまった…



元夫は、接見禁止で会えない。

でも、刑事さんから

差し入れをしに来て欲しいと連絡があった。

しかも、時間を指定され、

着いたら警察署の裏にまわるようにと…

「いったい、なんだろう?」

と思いながら、二男を連れて警察署の裏に行ってみると

取調室の窓から

元夫が顔を出した。

涙が止まらなかった…

元夫も泣いていた。



私は毎日、二男を連れて警察署に行った。

接見禁止の間も

差し入れをしに行くと

それに合わせて取調室に連れて行ったり

取調室から戻ったりと

元夫が待ち合いの前を通るように配慮してくれた。

小さな子供を置いて

懲役に行かなければいけない

元夫を不憫に思ったのだろう…

その時の担当の刑事さんには

本当にお世話になった。



これから、まだまだ色々なことが起きる。

でも、順調に1回目の人生と同じことが

起こっている。

このまま、頑張っていれば

いつか「あの人」に会える…

心も体もボロボロだけど

それだけが支えだった…