俺の通っている高校は、普通科と特進科がある。

「俺、もともと寝つき悪いから余計に寝不足なんだ」

「そうなのか…」

その日の夜、俺は生姜とはちみつを入れた白湯を羽山に飲ませた。

「からっ!生姜入れすぎだろ!」

「これくらい入れた方が効果出るんだよ」

羽山は文句を言いつつも、全部飲んだ。

カップを洗って、羽山の部屋を覗くと、寝息を立てて寝ていた。


次の日の朝。

「昨日はよく寝られた気がする」

羽山を見ると、顔色もよかった。

「な?俺の言った通りだったろ?」

「でも次作る時は、もう少しはちみつを多めに入れてくれ」

「わかったよ」

俺が朝ごはんの用意をしようとすると、

「七瀬」

俺が振り返ると、羽山がキスをしてきた。

「なっ…!」

俺は羽山と距離をとった。

「い、いきなり何してんだよ!」

「お礼。それに付き合ってるんだから、これくらいするだろ」

なんの抵抗もないのかよ!こいつ!

これから卒業するまで、一緒に暮らしていくのは大変そうだ。